山と渓谷社の「関東周辺 スポーツサイクリング・コースガイド」をパラパラとめくっていると、
「勾配なら風張峠に負けない?奥多摩・梅野木峠への激坂ルート」という気になるページを発見。
見ると福生から近いし、多摩川サイクリングロードからすぐにルートに乗れる分かり易さもあり、早速2人にも勧め、行くことになりました。
普段はS-WORKSターマックSL3アマンダフォーク仕様で走っていますが、今回はCAAD10で行くことにしました。CAAD10を手に入れた理由は、アルミフレームの性能を知りたかったからです。
前日に梅野木峠の場所は確認していたのですが、念のためと思って当日にもう一度ネットで調べていると、あれ?思っていた位置と違う・。もっと太い道だと思っていたけど、その太い道から、なんか糸くずみたい生えている細い道の先に梅野木峠があることが判明。
急いでナブユーを再設定し、MOとMTの2人に20分到着が遅れることを伝え、CAAD10で鶴川街道→多摩川サイクリングロードを飛ばしました。
以降CAAD10のインプレに突入してしまいますが、比較しているのはS‐WORKSターマックSL3
アマンダフォーク仕様です。
CAAD10は、平地ではそれなりに進みます。アルミの特性なのか、踏み込むとまさにその瞬間、直接的な推進力を感じます。しかし、それは踏み込んでいるある瞬間だけでピークが短く、そのピークを過ぎるとすぐに推進力が去ってしまう感覚です。踏み込みのある一点では加速するのですが、その時間が短い為に、次の踏み込みまでに推進力の谷間ができてしまい、速度維持や加速に
もたつきが出る感覚です。
SL3は、軽く踏んでいる時でもその力が推進力に変わっていることを感じることができます。またCAAD10のように一点ではなく、踏んでいる間は常に地面をつかんで前に進もうとしている感じがあります。踏んだ力が、常時無駄なく地面に伝わっている感覚。なので推進力の谷間を感じることがあまりありません。
S-WORKSターマックSL3 アマンダフォーク仕様
今回はこれでは走っていません、参考資料です。
CAAD10は、平地の30~35キロ巡航では、エネルギーロスをそこまではっきり感じません。いつもより少し伸びがないのかなーという位です。
しかし、時速40キロ以上になると速度維持が大変になり、それ以上の伸びが鈍いことがはっきりと実感できます。頑張れば50キロ以上も出せますが、相当のエネルギーロスを感じながらになります。
ちなみにハンドリングはクセがなく非常に素直で扱いやすいです。ダンシングもスムーズ。
また、アルミハンドルのバーエンドに取り付けたボンドレガーのバズキルの効果が予想以上で、
あんなにアルミフレームの振動があったのに、装着後は気にならなくなりました。
バズキルは2個で3,000円。見た目は2個300円位の影の薄いエンドキャップですが、装着する価値はあると思います。
いつも地面と噛み合っている感覚、いつでも地面をけとばして進んでいけそうな感覚が、
漕いでいる最中いつも感じていられるもの、それが進むバイクなのかなと思います。
今回の梅野木峠への道中では、そのことを更に実感することになりました。
峠を目指す途中で、184号(奥多あきるの線)を走りました。きれいな道で、横に清流の平井川が流れます。
184号。傾斜が1~2%の緩やかな坂道が続きます。
MO氏とMT氏の2人は「このくらいの坂だと、気持ちよく走れるよねー」と楽しげにおしゃべりしながら巡航しているのですが、私のCAAD10はなんだか進まない・・。
踏み込んだ端からエネルギーが失われ失速していく感覚。私の後ろを走っていたMO氏からも、緩い坂でのCAAD10の伸びが無いのが見て取れたようです。
別にトレーニング機材を持ち込んだつもりはないんですけどね。1人でハアハアしていました。
かたやMO氏のドグマ2はモリモリと加速しているし、あんなに坂の前ではカタカタひよ子状態になっていたMT氏もマドン6.9SSLを入手して、そのドグマ乗りのMO氏とおしゃべりしながら登っている有様です。まったく世の中どうなっているのでしょうか。
とりあえず、184号沿いのジブリ的な風景がきれいでした。ありがとうジブリ的なもの。励まされましたよ。(^^)
この時再認識したことは、やはりフレームには投資すべきだということです。上位モデルのフレームは、各メーカーの技術をつぎ込んで作っているから妥協が少なく、当然エネルギーロスも少ないんだと思います。
何気ない坂を、何気なく楽しく走れてしまうことが、2人のフレームの底の深さを物語っています。
MO,MTの2人は、その尊さを知っているのかどうなのか、184号を快走していました。
このあとで、峠道に入って激坂になるのですが、もうそこは
ロードバイクの生息域ではありませんでした。
傾斜20%が日常的に現れる世界。それはもうCAAD10の設計の埒外だったと言うほかありませんでした。リア12-25で、体重80キロのダルマが梅野木峠アタックするなど、キャノンデール開発陣は想定していなかったらしいです。
坂の途中でBBからメキメキッ、メキメキッと異音が鳴り出しました。そこから先は・・
もうハンバーガーヒルでした。戦場。あれはきっと戦場だったんだと今でも思います。
気を抜くとつるつる温泉まで転げ落ちます。
峠でのCAAD10の走りについて、多くを書くことはありません。峠を越えるより先に、自転車が限界を超えてしまったということだけです。
そして梅野木峠の頂上に到着。本当に景色がきれいでした。苦労して登った甲斐があり、達成感で気持ち良かったです。CAAD10も負傷しながら良く頑張ってくれました。ありがとうCAAD10。
今回の梅野木峠は、短い距離に急こう配が圧縮されていて、濃密な峠でした。富士山とはまた別のハードさと、達成感がありました。
なにより3人が、けがもなく無事に帰ることができたのが一番良かったと思います。本当に何がおきてもおかしくはない場所でしたから。あーびっくりした。
お付き合いありがとうございます。ではまたー。(^^)/
はじめまして、ブログ拝見させて頂きました。
返信削除自分は昔中古のCAAD7を入手してこの「推進力の谷間」を
痛感して手放しましたので、
正直CAAD10も進化したとはいえ
同様の性質を持っているのではないかと思っていました。
ちなみにCAAD7も瞬間的な加速を感じてすぐ
落ちる感じでした。
その点を踏まえて「速度が溜まる」バイクを重点的に選んでいます。
いろんなインプレを呼んできましたが自分の言いたい事と
正にピタリと合っていて驚きました。
いいバイクは地面を蹴る感覚が続くって事、すごく分かります。
バズキルも興味深かったのでいつか試させて頂きます。
楽しいインプレをありがとうございました。
通りすがり様
削除初めまして、MYと申します。私たちのブログを見てくださり、ありがとうございます。私のインプレはごく個人的で感覚的な内容でしたが、通りすがり様のように分かっていただける方がいらして嬉しいです。
バズキルですが、ハンドルは勿論、フレームとの相性もあるみたいです。CAAD10とアルミハンドルでは有効でしたが、アマンダ80tカーボンとアルミハンドルの組み合わせでは思ったような効果が得られませんでした。アマンダが硬過ぎたのか、もしくはアルミフレームとアルミハンドルでないと効果を十分に発揮できないのか・・。万能ではないようです。結局カーボンホイールにチューブラーでやっとまろやかになりました。
通りすがり様の「速さの溜まる」バイクという表現面白いですね。ワクワクします。もし差し支えがなければ、そのバイクを教えていただけると嬉しいです。
コメントありがとうございました。 MY
私も色々ロードに乗りましたが機材もありますが、先ずは体重を落とすことにより純粋にインプレッションになると思いますよ。機材を一流で云々は分かりますが、突き詰めると最後は個々の力ではないでしょうか。販売店は毎月新しい商品を販売し、この品物を使うと速くなると云々・・それはプロからのフィードバックです。
返信削除要は自己満足なんです自転車は!