2012年9月23日日曜日

アマンダ(AMANDA SPORTS) 80tカーボン インプレ  走行編その①

MYです、アマンダ カーボン80tバイクインプレの続きです。

現在のアマンダカーボンバイクは、前三角のパイプがカーボンで、シートステーとチェーンステーは
クロモリです。様々なトライ&エラーを経た結果だと千葉さんはおっしゃっていましたが、そのあたりの話はまた後で書こうと思います。
まずは走行編から。

                シェイクダウンは三鷹から鎌倉でした。

アマンダ納入から初めてのツーリングは、MOのドグマ2と共に鎌倉に行きました。ルートはすでにMOがブログに書いているのでご覧ください。

漕ぎだしは、軽くはないです。S-WORKSターマックSL3と比べてしまうのも酷ですが、物理的に重いのでそれなりの発進です。カーボンを使っているので軽いのでは?といったことは一切なく、もうほとんどクロモリと思って間違いない重量です。

SL3は低速でカーブを曲がり、直線の立ちあがりで踏むとスコーンと気持ちよく加速しますが、アマンダはまあ、よいしょっといった感じの立ちあがりです。今までに経験したことのない新しい感覚といったものは特になく、ごくありふれた昔からあるロードバイク、というのが第一印象でした。

乗り心地は、硬いほうだと思いです。路面のけっこう細かい凹凸まで伝わってきます。カーボンフォークと前三角がカーボンだから、細かい振動が減るのではないかということは多分あまり感じられないと思います。一方で、カッチリと作られているなという安心感はあります。

今回のオーダーでは、体重80キロの私でも安心して乗れるようにと依頼しました。それで千葉さんは、普段使うカーボンとクロモリパイプより太いサイズのものを(キングサイズと呼んでいましたが)
使用して組んでくださいました。なので、全てのアマンダバイクがこのような印象になるわけではないと思います。参考までに。

鎌倉への道中では、丘のようなゆるいアップダウンがいくつもあるのですが、アマンダカーボンは意外とよく登ってくれました。

意外というのは、踏み心地は決して硬くないため、ダイレクトでタイムリーな加速感が少ないのです。なので、踏んだら分かり易く進むS-WORKSのターマックSL3と比べるとダイレクト感に乏しく、「うーん、これは・・進まんだろ・・。」というのがアマンダカーボンの印象ではあったのです。

しかし、実際の坂になると、SL3のようなダイレクト感は無いものの、しなって粘って進んで行きます。極めて人間的な登板感です。それでいて、CAAD10のような明らかなエネルギーの喪失感は感じられません。恐らくは最新の上等なカーボンフレームと比べると何%かのエネルギーロスがあるのでしょうが、踏み心地やバイクのしなり具合が人に優しくカドがないため、長い距離を疲労を抱えつつ走るような場面では、ありがたい特性だと感じました。

そのことを強く感じたのは鎌倉からの帰り道です。当日は酷い暑さで、相当に体力を消耗しながら246号をMOと走っていました。すると、突然MOがTTに突入。毎日ピストで足を鍛え、ランニングも行っているアスリートみたいなMOが、ドグマなどという神機を手に入れてしまったのでもう手に負えません。
なんとかその黒い弾丸みたいなのに振り切られないようについていくのが精いっぱいでした。

そして公園で一休み。「ごめんごめん。ついTTしちゃった」ってこの炎天下の鎌倉からの帰り道でどんな体力なんだ。そして41歳不摂生の汗ダルマは見知らぬ公園の隅で廃人に。
廃品回収車待ちをしていたところ、MOから「ちょっと自転車交換して走ろう、ドグマの登りも体験してみてよ」という提案が。

これは何企画だろうかと思いながら、へとへとの体でドグマに乗り、再び246号の坂道を走りだしたのですが・・。
ド・・ドグマ硬いいー!!もうドグマはガッチガチに硬いバイクでした。そして、疲労で弱った私の足ではダイレクトすぎて到底踏めませんでした。その硬さたるや、SL3の比ではありません。

ドグマは明らかに脚力があるアスリートの為のバイクです。MOにそれを伝えると「そうなんだーこれ硬いんだー。」オーイ!お茶と化け物ー!「でもこれさ、踏み込んだら最後らへんでバネ感があってグイッと進んでくれるんだよね」とMO。だからそのバネ感を引き出すにも一定以上のパワーが必要なんですって!。私にはそれを召喚できないの。

一刻も早くこの魔人の機械から降りないと、脚をもっていかれる・・。そう思いながらやっとのことでひとつの坂を登り切り、早々に持ち主の怪物クンに返却。アマンダカーボンに乗り換えました。またいくつかの坂を越えていきましたが、「あーやっぱりこの脚への優しさが今は心地いい」と感じました。

ロングライドで疲労がたまっているときは、l高剛性で硬いバイクは私には恐ろしいバイクに変わります。例えエネルギー効率が100%であったとしても、であるからこそ脚に負担がかかるように思います。SL3では三鷹から富士山5合目まで往復した時でも、今回のドグマのような感覚はなかったので、私の脚はSL3までが上限なのでしょう。硬いと言われるSL3もドグマに比べると多少のしなりがあるのだろうと思われます。

少しロスがあったとしても、それが踏み込み時の脚への緩衝効果となり、疲れている時でも何とかかんとか坂を登り続けられることができる、粘ってしなって進んでくれるバイクがロングツーリングには良いと思います。アマンダカーボンは、きつい時にその通りきついけど、「もう少し進めそうだ」と最後の余力を長く残してくれるバイクだと感じました。

アマンダカーボンには、一見すると矛盾しているような特性があります。それは、
①乗り心地は硬く、振動吸収は良くない。
②踏み心地のダイレクト感は少なく、特に坂はしなって進む。疲れた脚に優しい。

②で明らかにスピード重視ではなくロングライド向きバイクなのですが、①が邪魔しています。でもこれは私の使用しているホイールやタイヤを変えることで、かなり良くなるのではないかと思います。私はクリンチャーのレーシングゼロを使用していますが、千葉さんは手組みのホイールにチューブラータイヤを推奨しています。スポークテンションと空気圧を調整すれば、フレーム本来の特性にマッチし、振動吸収も備えたバイクになるのではないでしょうか。

特性を認め、目的を絞ることが本当は大事なのでしょうね。。私はどこかで、このクラシカルなスタイルのアマンダで最新のバイクをさしてやりたいと思っているから、やわらかいホイルを履けないでいるのかもしれません。はやく心も大人になりたいです。

走行編はもう少し続きます。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
                                                  MY


               

0 件のコメント:

コメントを投稿