2012年9月25日火曜日

アマンダ(AMANDA SPORTS) 80tカーボン インプレ その③ 最終回「最高速度実験」

さて、アマンダカーボンバイクのインプレもあと少しになってきました。
走行編の最終回は、「最高速度実験」です。

いつもの多摩川サイクリングロードに到着

まずは普通に走行。うーん、やはり何の変哲もない走り心地。平地で20キロ台で流す時、アマンダカーボンバイクは全くただのバイクになります。進まないわけでもないですが、4~5回ペダルを強く回すと胸のすくような加速で前進する最新カーボンバイクと違って、漕がないと進まない当たり前の法則を十分に満喫できる走行感です。

最新のフラッグシップクラスのカーボンバイクって、たまに漕いだ量と進む量に予想以上の乖離があるとき、ありませんか。軽く漕いでるのに、過ぎ去る風景が速すぎる事態。たまにそんなバイクに出会うと、つい笑ってしまいます。予想外の優秀な機械に会うとなんだか笑いがこみ上げてくるのです。ワクワクして心が踊っているのでしょう。
                           

さてアマンダカーボンで多摩川サイクリングロードを流している時の私の胸中はというと、
「あー・・、今日も暑いなー」 ってワクワク感プリィーズ!!

そして多摩川サイクリングロード名物の、緑色の減速帯(横断歩道のような凸凹で自転車を減速させるしくみ)にさしかかる。

きたきた凸凹減速帯、ここの振動は本当に不快。
だが!今回はなんといってもアマンダ80tカーボン&フォークで完全装備。こんな凸凹、滑らかに、そしてシナヤカに通過してくれるわーー!と減速帯に突入。

アダダダダダダダダダダアーってアスファルト破壊する機械運転中かっ!!メットもゴーグルもしてるけどさ。なんというかあれとは別のやつじゃん。俺いま現場だったけ? 


いや・・、まあこの振動吸収の悪さは前述した通りなので、予想の範囲ではありました。さしたる動揺もなく「今日も暑いな・・」と思いながら、いくつかの減速帯を越えて通称TTゾーンに向かいます。

通称TTゾーンとは、私が最高速度実験をするときによく使う道です。道幅が広く道路もきれいで、車があまり通りません。車が通るので厳密には多摩サイではないのでしょうが、多摩サイ上流のほうを走る方はご存じかと思います。具体的に場所を書くと、おまわりさんに張られると困りますのでふんわりとしておきます。完全な速度違反ですからね・・。



そしてTTゾーンに到着。前方オールクリアを確認していざスタート。
私の場合はローギアから段々と上げていくのではなく、フロントはアウターにしてリアはトップから2枚か3枚の位置でスタートし、加速中も一切シフトチェンジはしません。最後までそのギアで走ります。短距離で短時間に加速するなら細かいシフトチェンジも必要なのでしょうが、ある程度距離が確保されていて、タイムを競うのでなければ、大きなトルクをかけ続けながらシフトチェンジすることでのギヤへの負担を回避できます。何より本気漕ぎに集中できるから良いです。

立ち漕ぎビッグギアでミシミシと加速。ドグマの鉄板のような脚への跳ね返りはないものの、ギュインギュインとバイク全体をねじらせながら加速していきます。このときのアマンダカーボンは、
けっしてクールとか、スマートといった感じではありませんでした。なりふり構わず体を軋ませながら、のたうちまわって必死に前進していくのです。まるで人間的な泥臭さで前進していきます。
耳を澄ませば、こいつの歯ぎしりが聞こえたかも。

私も必死ならこいつも必死。漕ぎ方を習ったわけでもないので、ハンドルを引きすぎて時々前輪がフワリと浮きながら非効率に進んで・・・。

その加速の最中に不思議なことが起きました。普段は使わないはずのアウタートップを使わないと、物足りない感じになってきたのです。

S-WORKSターマックSL3では、アウタートップは私には重すぎて踏み切れないため、最高速度実験の際にはもう1枚か2枚軽いギヤで走っていました。そちらのほうがちゃんと踏めるし、結果的に速度がでていたのです。しかし今回、アマンダカーボンでは何故か、まだ重くても踏める、そっちの方が伸びる。と感じてアウタートップにシフトアップ。もうなりふり構わず漕ぎまくりました。

そしてTTゾーンが終わる手前で私の無酸素運動限界が到来し、今回の実験は終了しました。
もちろんその後1時間はいつもの廃人。ヘルシア2本のんで川辺で寝てました。
結果は55.1Km/h

1発目のトライで55.1キロ出たことは私にとっては驚きでした。 もう9割9分クラシックバイクの認識でしたから。ちなみにS-WORKSターマックSL3の最高速度は56キロ。
CAAD10は3回トライしても50キロ止まりでしたが、4回目位に54キロが出ました。扱いに慣れてきたからでしょうか。

なぜSL3ではしないアウタートップまで踏めると感じたのか、今回のアマンダ80tカーボン最高速度実験で生じた謎です。

どう考えても美しいホリゾンタルのフレーム。これで最新バイクをぶち抜けたらどれだけ痛快か・・と、考えてしまうのは、むしろ人間として自然な願望ではないでしょうか。 


帰り道でいつもお世話になっているYズロードへ。やっぱりあの煙突みたいな57ミリのカーボンスペーサーは長いし微調整ができないため、市販のカーボンスペーサーに交換してハンドルを少し下げてもらいました。これで前よりしっくりしました。

作業してくれた店員さんが「あのコラム何ですか?カットしにくそうですね・・初めてみました」と言っていました。内周クロモリパイプに外周カーボンパイプのコラムなので、さぞ切りにくい絵だったのでしょう。

「ですよねー」私はもうあんまり驚きません。
良い所も悪い所も変な所も色々含めて、それがそれこそがアマンダクオリティ。
どんな現象もそれが、「アマンダ・クオリティ」なわけです。

似たようなニュアンスのものとしては
「人間」というものがあります。
どちらも付き合うには、こちらのおおらかさがきものようです。
おあとがよろしいようで?

MTには『50万のトレーニングバイク』と言われ(フレーム約50万円)
MOには『いちごのかき氷』と名前付けられてしまったアマンダ80tカーボンバイクですが、
人間くさいやつです。これからもよろしくね。

最後までおつきあいくださり、ありがとうございました。アマンダカーボンの走行編はひとまず終わりです。また時間があれば、アマンダについてとか、千葉さんうっかり八べえみたいなところが沢山あるので万が一(万が一なんだー)発注するかたへの注意点など、私はちっとも面白くなかったですが人から見たら面白ネタもそのうち書こうと思います。
では、またー(^^)/

                                                     MY
                                                        



6 件のコメント:

  1. 初めまして、KTと申します。これからアマンダでオーダーする者として大変参考になりました。アマンダはあまりネットでも情報がなく(特に価格)、また、うっかり八兵衛的な話題もないことから、是非、その辺のところを続編として、書いてください!楽しみにしています。

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    1. KT様
      初めまして、MYと申します。今回は私達のブログを読んでくださり、ありがとうございました。

      KT様はアマンダのオーダーを検討されているとのこと。私達の中では「変わった御方だ」「トレーニングバイクが欲しいのかなあ」などという声も聞こえた気がしましたが、そこは
      (やってみなくちゃわからない!大科学実験!!)の精神を尊重いたします私もそうでした。

      ではKT様のご要望に沿って、まずは価格、次に八べえエピソードを書きますね。記事にするより返信欄のほうが目立たないので、八、千葉さん信仰の方々の目に触れにくいかと。

      価格はフロントフォークと前三角がカーボンで47万位だったと思います。ただし私のは高体重仕様ですので、カーボン量が多いので高かったかもしれません。前三角に使用する80tカーボンパイプが1本5万だそうです。

      また、記事にも書きましたがフロントフォークはクロモリという選択肢もあり、それなら数万円は安くなるでしょう。私感では剛性、振動吸収に大差はないと思います。とにかくアマンダカーボンフォークはガチガチですので、一般的なカーボンフォークの振動吸収性を期待なさらない方がいいです。また、オールクロモリフレームだと20万位だったと思います。

      八べえカテ
      エピソード①
      千葉さんと奥さんと私の3人でカラーリングを決定。奥様「フロントフォークは黒と赤のグラデーションでいいじゃない。強い感じ」私「いいですね!」千葉さん「いいね!フレームは白赤グラデーションで!これで行きましょう!」「よろしくお願いします!楽しみだなあ!」

      そして1週間後に千葉さんから電話がありました。「あのさあMYさん。カラーリングって、どんなだったっけ?」
      (うおーい!?!千葉さあーん?!あんな3人で盛り上がって決めたじゃない決まったじゃなあーい!ホワーイ? 1から?また1から積み上げる感じ?振り出しからなのーん?!)

      エピソード②
      コンポ組みも千葉さんにまとめて依頼。千葉さん「前ブレーキは右?左?海外の選手は左が多いんだよねー」(私は右でお願いします。今のターマックも右なんです)
      千葉さん「了解しました。右だね」

      1週間後に留守番電話に伝言あり。  千葉さん「MYさん、アマンダスポーツです。前ブレーキは右ですか、それとも左です、、え?なに?右?右?・・ガチャン・ツーー」
      (千葉さーん?誰会話?多分奥さんとなんだろうけど・・まず電話の前に奥さんに聞こう。いや、まず、メモを取ろう。メモを取るクセをつけてください)

      エピソード③
      私「このバイクはロングライド用にしたいんで、アップライトにしたいんです。」
      千葉さん「了解しました。ではコラムをうんと残しておきますね。下りも怖くなくなりますしね。」
      私「お願いします!」

      2週間後の納車日
      コラムはほぼ限界までカットされておりました。
      (これ完全なスプリント仕様ですよねー。僕今まで一言でもガンガンに平地責めるって言いましたっけ。てゆうか、千葉さん、絶対に僕のバイクの仕様書なくしましたよね?!)
      さすがに、これはコラムを作りなおしてもらいました。

      エピソード④
      シートチューブの長さが指定と違う
      (ターマック持ち込んで現物測定した意味は、、てゆうか僕のバイクの仕様書なくしましたよね。もう確実に。)
      カットしてもらいました。これはオーダーなの・・か?

      エピソード⑤
      ①~④の応用編

      エピソード⑥
      ①~⑤のコンボ

      人間はどこまで精神的に成長できるのか?を試されているようでしたが、まあ、意味への意志という本もあることですし、強制的に成長を促すプログラムだったと今は解釈しています。また、この話でどなたかが少しでもクスリと笑ってくれていればそれは嬉しいことです。
      KT様に少しでも参考になれば幸いです。

                                            MY

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    2. MYさん、こんばんは。
      KTです。
      早速の続編、楽しんで読ませて頂きました。ありがとうございます。

      価格については、カーボンを使用したオーダーは、やはり高価ですね~。

      私はアンカーRHM9に乗っているので、次はクロモリフレームでオーダーを考えています。20位だとネオプリが買えてしまいますが、フルオーダーですからね~。

      さて、うっかり話はとても参考になりました!笑っては失礼ですが、とても商売人と思えない、うっかりばかりですね。ちょっと不安になります。

      ある雑誌で「何年待っても乗りたいフレーム」という言葉がありましたが・・・。
      でも、買っちゃうんだろうな~。

      さて、私がアマンダをオーダーしようと思ったもう1つの興味は、他のお店では身体の採寸と目的でフレームを決めると思うのですが、アマンダはそれ+SRMの数値も入れて1つのフレームを作ると、ある雑誌に書いてありました。実際に乗っているMYさんは、市販のフレームとオーダーしたアマンダで、その違いを感じることは出来ましたか?
      もし、感じることができたのなら、私はうっ
      かりOK!でオーダーしちゃいますよ~(笑)。

      質問ばかりで、申し訳ありません。宜しくお願いいたします!

      追伸

      C2Cの皆さんは、本当に自転車を楽しんでいらっしゃるのが、ブログから伝わってきます。こういう楽しい仲間がいればバイクライフも充実ですね~。これからも楽しいネタを楽しみにしています!

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    3. KT様

      質問拝見いたしました。どうやら購入の意志は固いようですね?
      でも、私はいいと思いますよ。特にクロモリなら、今お持ちのカーボンバイクとは間違いなく別の乗り味で楽しめますし、考え方にもよりますが、フルオーダーで20万なら全然買いだと思います。長持ちするし、飽きませんしね。

      さて、ご質問のSRMですが、残念ながら私はオーダー時にW計測はされませんでした。特に計測しましょうという声かけもなかったです。お役に立てず申し訳ありません。

      ただ、体重80キロだけど富士山を登りますとか、この体重で富士山ダウンヒルは怖いですとか、大垂水峠をこのくらいのギアで登り切りましたなどの会話で、使うパイプを考えられていたようです。そういった意味では、SRMは使いませんでしたが、情報は収集されていたと思います。

      オーダー時には皆必ずW計測するという訳ではなさそうですので、希望者とか、話の流れで計測するのかも知れませんね。

      アマンダオーダーフレームと、市販のフレームとで違うのは、部分的な寸法の調整が出来るという点以外に、その人に合った強度にしてくれる点です。これは、うっかりを補って余りある明らかな利点です。

      千葉さんとお会いして話をすると、必ず聞かされるルーティンな内容の話がいくつかあります。その中のいくつかは正しく、いくつかは眉唾であり、いくつかは明らかに間違いなのですが、いくつかの正しい話の中でも特に納得した内容があります。それは、

      「市販のフレームは、身長に合わせて何種類かのサイズは選べるが、体重に合わせたフレームは無いから選べない。かわいそうだよなあ。」

      目からウロコでした。この話に関しては全くそのとおりだと思います。

      さて、KT様のご質問である、つまり個人のパワーを計算に入れて作られたフレームは市販のフレームを超えるか?については、どこまでパワーを考えて作ってくれたか謎ながら・・・。

      ずばり、アマンダカーボンバイクは、加速、振動吸収、もちろん重量においても最新のフラッグシップカーボンバイクには明らかに負けます。

      フラッグシップ達とつるんで走ると遅いことがはっきりわかります。連続する加減速、アップダウンなどで明らかに反応がワンテンポ遅れます。モッサリ感は否めません。

      1人で走ってると楽しいんですよ。並走する比較がないので、反応のタイムラグはしなりとして楽しめますので。

      しかし、アマンダオーダーが勝っているところはあります。それは強度と、それに伴う安心感です。ターマックでの富士山ダウンヒルは、体重の重い私には恐怖以外のなにものでもありませんでしたが、ターマックのフロントフォークをアマンダフォークに改造してからは安心して下れます。勿論アマンダカーボンバイクでも同じです。

      そういった意味では、市販のフレームより、より自分にマッチした優れたフレームです。

      KT様の欲しい情報ではなかったかも知れませんが、これが私のわかる情報です。少しでも参考になればよいのですが・・。

      クロモリオーダー楽しみですね。アマンダは味のあるバイクであることは間違いないので、より広く深く、ロードバイクを楽しめるのではと思います。

                                    MY

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    4. おはようございます。MYさん。
      回答ありがとうございます。

      SRMは全ての人では、ないのですね~。
      でも、乗り手の事を考えてパイプを選ぶことが分かりました。色々とありがとうございました。

      後はお店にGo!です。
      採寸も楽しみですが、カラー選定も悩むんでしょうね~。でも、こういう時が一番楽しいのかもしれません。千葉さんと直接お話するのが楽しみになってきました。

      買う前に、沢山の情報を教えて頂いたMYさんに感謝いたします!本当にありがとうございました。

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    5. MYさん、こんばんは。
      おひさしぶりです、KTです。
      遂に3週間前にクロモリオーダーしました!

      日曜日の朝一番で、お伺いしましたが気持ち良く対応して頂き、色々とお話が聞けて楽しかったです。

      まず、私の自転車歴を聞いて『あなたは今まで、楽しい自転車に乗ってないですね~。』と、最初から千葉節全開でした(笑)。

      でも、全然悪い気は起きずに、そのあとの自転車話も素直に勉強になりました。

      体の採寸も無しで、話のやりとりで設計図に数字を書き込んでいく姿 に、ビルダーを感じましたが、肝心のSRMを元にしたポジションについては、『私の経験からあなたは、もうポジションが決まっ てるから計測は必要ないですよ。』
      でした。

      代金や納期を聞き忘れて、次の日に電話をしましたが『そんなにかからないですよ。』と、具体的な日数は分かりませでしたが、今、乗っているアンカーがあるので、カラーやパーツを考えながら、気長に待ちたいと思います。

      そこで質問ですが、MYさんはパーツの組み込みもアマンダでお願いしたと思うのですが、例えばコンポなどの代金は定価でしたか?
      どうせなら一緒が良いと思うので、教えてください。

      宜しくお願いいたします。

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