走行編の最終回は、「最高速度実験」です。
いつもの多摩川サイクリングロードに到着
まずは普通に走行。うーん、やはり何の変哲もない走り心地。平地で20キロ台で流す時、アマンダカーボンバイクは全くただのバイクになります。進まないわけでもないですが、4~5回ペダルを強く回すと胸のすくような加速で前進する最新カーボンバイクと違って、漕がないと進まない当たり前の法則を十分に満喫できる走行感です。
最新のフラッグシップクラスのカーボンバイクって、たまに漕いだ量と進む量に予想以上の乖離があるとき、ありませんか。軽く漕いでるのに、過ぎ去る風景が速すぎる事態。たまにそんなバイクに出会うと、つい笑ってしまいます。予想外の優秀な機械に会うとなんだか笑いがこみ上げてくるのです。ワクワクして心が踊っているのでしょう。
さてアマンダカーボンで多摩川サイクリングロードを流している時の私の胸中はというと、
「あー・・、今日も暑いなー」 ってワクワク感プリィーズ!!
そして多摩川サイクリングロード名物の、緑色の減速帯(横断歩道のような凸凹で自転車を減速させるしくみ)にさしかかる。
きたきた凸凹減速帯、ここの振動は本当に不快。
だが!今回はなんといってもアマンダ80tカーボン&フォークで完全装備。こんな凸凹、滑らかに、そしてシナヤカに通過してくれるわーー!と減速帯に突入。
アダダダダダダダダダダアーってアスファルト破壊する機械運転中かっ!!メットもゴーグルもしてるけどさ。なんというかあれとは別のやつじゃん。俺いま現場だったけ?
いや・・、まあこの振動吸収の悪さは前述した通りなので、予想の範囲ではありました。さしたる動揺もなく「今日も暑いな・・」と思いながら、いくつかの減速帯を越えて通称TTゾーンに向かいます。
通称TTゾーンとは、私が最高速度実験をするときによく使う道です。道幅が広く道路もきれいで、車があまり通りません。車が通るので厳密には多摩サイではないのでしょうが、多摩サイ上流のほうを走る方はご存じかと思います。具体的に場所を書くと、おまわりさんに張られると困りますのでふんわりとしておきます。完全な速度違反ですからね・・。
そしてTTゾーンに到着。前方オールクリアを確認していざスタート。
私の場合はローギアから段々と上げていくのではなく、フロントはアウターにしてリアはトップから2枚か3枚の位置でスタートし、加速中も一切シフトチェンジはしません。最後までそのギアで走ります。短距離で短時間に加速するなら細かいシフトチェンジも必要なのでしょうが、ある程度距離が確保されていて、タイムを競うのでなければ、大きなトルクをかけ続けながらシフトチェンジすることでのギヤへの負担を回避できます。何より本気漕ぎに集中できるから良いです。
立ち漕ぎビッグギアでミシミシと加速。ドグマの鉄板のような脚への跳ね返りはないものの、ギュインギュインとバイク全体をねじらせながら加速していきます。このときのアマンダカーボンは、
けっしてクールとか、スマートといった感じではありませんでした。なりふり構わず体を軋ませながら、のたうちまわって必死に前進していくのです。まるで人間的な泥臭さで前進していきます。
耳を澄ませば、こいつの歯ぎしりが聞こえたかも。
私も必死ならこいつも必死。漕ぎ方を習ったわけでもないので、ハンドルを引きすぎて時々前輪がフワリと浮きながら非効率に進んで・・・。
その加速の最中に不思議なことが起きました。普段は使わないはずのアウタートップを使わないと、物足りない感じになってきたのです。
S-WORKSターマックSL3では、アウタートップは私には重すぎて踏み切れないため、最高速度実験の際にはもう1枚か2枚軽いギヤで走っていました。そちらのほうがちゃんと踏めるし、結果的に速度がでていたのです。しかし今回、アマンダカーボンでは何故か、まだ重くても踏める、そっちの方が伸びる。と感じてアウタートップにシフトアップ。もうなりふり構わず漕ぎまくりました。
そしてTTゾーンが終わる手前で私の無酸素運動限界が到来し、今回の実験は終了しました。
もちろんその後1時間はいつもの廃人。ヘルシア2本のんで川辺で寝てました。
結果は55.1Km/h
1発目のトライで55.1キロ出たことは私にとっては驚きでした。 もう9割9分クラシックバイクの認識でしたから。ちなみにS-WORKSターマックSL3の最高速度は56キロ。
CAAD10は3回トライしても50キロ止まりでしたが、4回目位に54キロが出ました。扱いに慣れてきたからでしょうか。
なぜSL3ではしないアウタートップまで踏めると感じたのか、今回のアマンダ80tカーボン最高速度実験で生じた謎です。
どう考えても美しいホリゾンタルのフレーム。これで最新バイクをぶち抜けたらどれだけ痛快か・・と、考えてしまうのは、むしろ人間として自然な願望ではないでしょうか。
帰り道でいつもお世話になっているYズロードへ。やっぱりあの煙突みたいな57ミリのカーボンスペーサーは長いし微調整ができないため、市販のカーボンスペーサーに交換してハンドルを少し下げてもらいました。これで前よりしっくりしました。
作業してくれた店員さんが「あのコラム何ですか?カットしにくそうですね・・初めてみました」と言っていました。内周クロモリパイプに外周カーボンパイプのコラムなので、さぞ切りにくい絵だったのでしょう。
「ですよねー」私はもうあんまり驚きません。
良い所も悪い所も変な所も色々含めて、それがそれこそがアマンダクオリティ。
どんな現象もそれが、「アマンダ・クオリティ」なわけです。
似たようなニュアンスのものとしては
「人間」というものがあります。
どちらも付き合うには、こちらのおおらかさがきものようです。
おあとがよろしいようで?
MTには『50万のトレーニングバイク』と言われ(フレーム約50万円)
MOには『いちごのかき氷』と名前付けられてしまったアマンダ80tカーボンバイクですが、
人間くさいやつです。これからもよろしくね。
最後までおつきあいくださり、ありがとうございました。アマンダカーボンの走行編はひとまず終わりです。また時間があれば、アマンダについてとか、千葉さんうっかり八べえみたいなところが沢山あるので万が一(万が一なんだー)発注するかたへの注意点など、私はちっとも面白くなかったですが人から見たら面白ネタもそのうち書こうと思います。
では、またー(^^)/
MY